白内障手術を受けるまでの流れ|来院から帰宅までの体験ガイド【医師監修】
白内障手術を受けるまでの流れ|来院から帰宅までの体験ガイド
はじめに ― 白内障手術は「日帰り」で受けられる時代に
白内障と診断されたとき、多くの人が気になるのが「手術は大変なのか?」「どれくらい時間がかかるのか?」といった疑問です。かつては入院が必要とされていた白内障手術も、現在では技術の進歩により短時間で安全に行える日帰り手術が主流となっています。
特に、仕事や家庭の都合で入院が難しい方や、術後すぐに自宅で過ごしたいという希望を持つ方にとって、日帰り手術はメリットの大きい選択肢だと言えます。
本記事では、「白内障手術を受けるまでの流れ」や「白内障手術の所要時間」について詳しく解説するとともに、冨田実アイクリニック銀座での対応内容もご紹介。実際にどのように手術が進むのかを知っていただくことで、不安を解消し、安心して手術を迎えていただけることを目的としています。
白内障手術とは? ─ 視力を回復させる短時間の眼科手術
白内障手術は、濁った水晶体を取り除き、人工の眼内レンズ(IOL)と置き換える手術になります。視力を大きく回復させることができる、非常に一般的で安全性の高い手術です。
現在は、手術に使用する眼内レンズの種類も増え、白内障と同時に老眼も治療することが出来る多焦点眼内レンズも登場していますので、手術後も老眼に頼る頻度も少なく、若々しい視力を取り戻すことも可能です。
白内障手術は片眼ずつ行います ─ 感染症予防のために片眼ずつ手術を実施
目の手術の限らず、どんな手術においても手術後の感染症は最も怖い合併症になります。
そのため、どの医療機関でも感染症の予防対策は、常日頃から注意して取り組んでいます。
当院では、がけ的手術にも対応できる。
白内障手術を受けるまでの流れ―まずは検査を受けるところからスタート
白内障はレンズの役割を担っている水晶体が濁ってくる目の病気です。濁ってしまった水晶体をクリアに戻すことはできないため、根本的な治療法は白内障手術しかありません。白内障が進行しすぎると手術の難易度も高くなりが、ここでは白内障手術を受けるまでの流れを、当院の事例も交えながら一般的な流れをご紹介します。
白内障の診断
まずは、白内障の有無や白内障の状態を診断します。「何となく物が見づらくなった」「以前よりも光を眩しく感じる」といった自覚症状のある方もいれば、健康診断や眼鏡店での視力検査で眼科への受診を勧められた方などが受診されるケースが多く、中には年齢的に目の状態を調べて欲しいという方もおられます。検査の内容にもよりますが、検査と診察に要する時間は平均すると1時間程度です。また、この時点で手術を希望される方は、手術に必要な検査を受けていただくことになりますので、次回の検査予約を取ってお帰りになります。
白内障手術に必要な適応検査を受ける
ほとんどの方が、白内障手術を受けることを目的に受診されますので、白内障の診断だけよりも、白内障の手術に向けた適応検査で来院され方のほうが圧倒的に多いと思います。白内障の有無を診断するだけであれば、それほど時間はかかりませんが、手術に向けた適応検査になると、目の状態を詳しく検査します。この検査が手術の結果にも繋がりますので、とても重要な検査になります。この検査の結果をもとに、手術の可否や適した術式、レンズの種類、手術の時期などを診断します。十数目の検査を行いますが、瞳を開いて(散瞳をして)眼の奥の状態も確認しますので、点眼してから散瞳するまでの時間も必要です。所要時間としては、検査の内容によっても異なりますが、診察も含めて3時間ほどかけて目の状態を確認します。当院では、国家資格を持つ視能訓練士が検査を担当し、診察は執刀医でもある冨田院長が担当していますので、不安なことや解らないことは何でもご相談いただけます。
白内障手術の申込み
無事に手術が適応となりましたら、手術の日程を相談させていただき、手術日と手術時間を決定してから、正式に手術の申込みをしていただきます。緊張しやすい方や怖がりな方は、笑気麻酔もご用意していますので、合わせてお申し込みいただければと思います。その後、手術のガイダンス資料をもとに、手術当日の注意点、手術後の注意点、点眼薬の使用方法などについて専門のスタッフがご説明します。
採血検査
手術の申込みが完了しましたら、
採血の検査を行います。白内障手術は目の中の手術になりますので、僅かではありますが出血を伴います。このため、感染症や血糖値などの採血検査を行います。
手術前の最終チェック
白内障手術の1週間~10日ほど前を目安に、目の状態を最終的に確認します。ここでは、結膜炎の有無やドライアイの状態、他に目に異常が認められないかをチェックします。
例えば、結膜炎が認められた場合は手術までに結膜炎の治療、ドライアイで角膜に傷がついている場合はドライアイの治療を行って、手術当日を迎えていただきます。
ここまでが、ご手術の前にご来院いただく、基本的なスケジュールになります。
白内障手術当日の流れ|来院から帰宅までを徹底解説
冨田実アイクリニック銀座では、日帰りでの白内障手術を行っています。手術当日にご帰宅いただけますので、入院のご負担もありません。ご家族の付き添いも可能ですので、お迎えが必要な場合は、事前にお申し出いただければ対応させていただいております。また、少しでも不安のある方は、手術当日でも笑気麻酔のお申込みができますので、ご遠慮なくお申し出ください。
1.来院・受付(予約時間の約90分前)
予約した時間に来院しましたら、まず受付を済ませます。事前に手術同意書の確認、お会計、薬の説明を済ませて、検査にご案内します。
2.手術前検査
手術当日は、目の状態を最終確認するための検査を行います。ここでは、手術の前に行った適応検査データと大きな差が生じていないかを確認します。また、血圧の測定も行います。
3.散瞳(瞳孔を広げる処置)
点眼薬によって瞳孔を広げます。瞳孔が十分に開いたことが確認できたら、手術フロアへご案内します。
4.手術フロアへ移動
手術フロアに移動していただくと、手術室へ入室する準備を行います。荷物をロッカーに預けていただき、手術用ガウンを着てキャップを被ります。散瞳状態を確認して追加の点眼を行います。
5.手術前の診察
当日に行った検査データを確認して、目の状態を最終確認します。その後、手術後に注意していただきたい事項を改めて説明します。手術室にご案内する前に麻酔の点眼を行います。
6.手術室へ入室
手術室に入り、点眼麻酔、術野の消毒を行ってから、手術がスタートします。
7.白内障手術の実施(約10分ほど)
冨田実アイクリニック銀座では、レーザー白内障手術を導入しており、より精密で安全な手術が可能です。白内障でリスクが生じやすい前嚢切開と水晶体分割は、すべてレーザーで行います。通常、前嚢切開と水晶体分割は目の中で行う手技になりますが、レーザー白内障手術は、目の外側から処置ができますので、目の中での手技が少なく、リスクが大幅に抑えあれます。次に、濁った水晶体を除去し、眼内レンズを挿入して手術は終了します。
実際の手術時間よりも、手術前の準備や手術後の安静時間のほうが長くかかります。
8.術後の安静
手術後は1時間ほどリカバリールームで安静に過ごしていただき、そのままお帰りいただけます。
白内障手術に関するよくある誤解と正しい理解
誤解1:手術は入院が必要?
→ 現在は日帰り手術が主流ですので入院の必要はありません。ただし、高齢でお身体の不自由な方、認知症の方、白内障が過度に進行してしまっている方は、入院手術のほうが適している場合もあります。
誤解2:痛みがあるのでは?
→ 軽い圧迫感を感じることはあると思いますが、点眼麻酔を使用するため、手術中の痛みはほとんどありません。ただ、目の手術という緊張によって、軽い圧迫感でも痛いと感じる場合もありますので、心配な方は笑気麻酔をお勧めします。
誤解3:両目を同時に手術するの?
→ 原則として片目ずつの手術を行い、1週間程度の間隔をあけて反対側の手術を行います。
これは、手術で最も注意しなければならない感染症が両目に及ぶことを予防するためになります。入院手術にも対応している大学病院であっても、片眼ずつの手術が基本です。
まとめ ― 白内障手術は思っているより短時間で受けられる
白内障手術は、決して大がかりな手術ではありません。実際の手術時間は片眼10分程度で、直前検査、診察、手術の準備・安静時間を含めても半日以内に帰宅が可能です。冨田実アイクリニック銀座では、高精度の手術と充実したサポート体制により、安心・安全な日帰り白内障手術を提供しています。
「手術は怖い」「大変そう」と思っている方も、実際の流れを知ることで手術のイメージができると思います。視界のかすみや見えづらさ、視力の低下といった症状がある方は、ぜひ一度ご相談ください。早めの検査・診断が、快適な見え方への第一歩となります。
監修者

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